AI の活用事例

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AIで日本のデジタルヘルスを 世界の最前線へ

日本の医療は、 世界で最も進んだシステムのひとつです。
国民皆保険のカバー率はほぼ100%(98.3%)に達し、 その結果、 日本は世界一の長寿国となっています。 17 18また、 先進的な遠隔医療ソリューションは、 特に2020年のパンデミック以降、 デジタルヘルスの発展に大きく貢献してきました。 19

医療現場では、 既に AI の導入が進んでいます。
がん研究会有明病院の研究者たちは、 人間の内視鏡医の精度を上回る胃がん検出 AI モデルを開発し、大きな腫瘍に対して最大98.6%の感度を達成しました。 20 京都大学医学部附属病院では、 AI が医師のメモや退院サマリーを92%の精度で要約し、 医療専門家の事務作業を大幅に削減しています。21

国民もまた、AI の医療活用、 特に人間による確認を前提とした初期診断などについては、 肯定的な見方を示しています。

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の人々が、AI による初期診断の
利用拡大を支持しています。
人間の医師による確認が加わると、支持率は

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に上昇します。

GoogleのProject VOICE:
AIが拓く、インクルーシブな
コミュニケーションの未来

Project VOICE (Valuing Our Individual Communication Expression) は、 ALS(筋萎縮性側索硬化症)や SMA(脊髄性筋萎縮症)などの言語・運動障害を持つ人々が、 AI の力でより簡単かつ自然に自己表現できるよう支援する Google の研究開発プロジェクトです。22

Google の Gemini モデルを基盤とする Project VOICE は、 予測テキスト技術を用いて、 ユーザーの入力や文脈から次に来る単語やフレーズを提案します。 これにより、 ユーザーは従来よりもはるかに少ない操作でメッ
セージを伝えることができ、 よりスムーズなリアルタイムの会話が可能に なります。
このシステムは、 ユーザー一人ひとりの興味やコミュニケーションスタイ ルに適応し、 パーソナライズされた提案を行います。 また、視線追跡やスイッチコントロールなど、 様々な入力方法に対応しており、 多様なアクセシビリティのニーズに応えます。

まだ開発途上ではありますが、 Project VOICE は、 ユーザーが自分らしく表現し、 周りの人々とつながり続けることを既に可能にしており、インクルーシブなコミュニケーション技術の新たな標準を打ち立てることを目指しています。
2025年6月、 Project VOICE はオープンソース化され、 世界中の開発者がこのシステムを自社の製品やサービスに自由に組み込めるようになりました。

AI が加速させる創薬革命

日本は、 海外で開発された最先端の医薬品への依存度が依然として高い状況にあります。 その主な要因の一つが、 医薬品が世界で承認されてから日本で利用 可能になるまでの時間差、 いわゆる「ドラッグ・ラグ」です。 新しい治療法が国内で承認されるまでに長い時間がかかるため、 患者や医療従事者は、 海外で既に 入手可能な輸入薬に頼らざるを得ません。23これが、 医薬品における慢性的​​ な 貿易赤字の一因となっており、 輸入額は輸出額を3兆円(197億米ドル)以上も 上回っています。

国もこの問題への対策を進めており、 2008年から2011年にかけて平均4.5年だった遅延は、 2016年から2019年には1.8年に短縮されました。

AI は、 国内での創薬をより容易かつ迅速にし、 海外のソリューションへの依存をさらに減らす可能性を秘めています。 Google DeepMind の AlphaFold のような新しい AI シミュレーションツールは、 異なる分子がどのように相互作用するかをデジタルで予測することを可能にします。 これにより、 新薬候補の発見にかかる時間が、 場合によっては数年から数週間、 あるいは数日にまで短縮されることがあります。

医薬品の研究開発に
AIツールを統合することで、
日本のバイオテクノロジー企業は、
創薬にかかる平均時間を

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短縮できる可能性があります。

海外のグローバル市場で医薬品が発売されてから、 日本で発売されるまでの平均的な遅延年数(年)

出典:PMDA

医療研究者が Google を活用し、 創薬を加速

医療研究開発におけるデジタルイノベーションの世界的リーダーである中外製薬は、 創薬を加速させ、生物医学研究を前進させるために Google Cloud を活用することでました。 このプロジェクトの中心にあるのが、 Google DeepMind が開発した画期的な AI システム、 AlphaFold です。これは、タンパク質の構造を驚異的な精度で予測することができます。
このブレークスルーを基に、 中外製薬は、 毎日何千ものタンパク質をモデリングできる、 スケーラブルなクラウドベースの AlphaFold2 を開発 しました。これにより、科学者は抗体が疾患の原因となる標的とどのように相互作用するかをシミュレートでき、通常10〜15年かかるとされる新薬開発のタイムラインを短縮できる可能性があります。24

さらに、 中外製薬は、 組織全体で AI を活用した研究をサポートするた めの統合クラウドインフラを構築しています。 BigQuery や Cloud Run などの Google Cloud サービスを活用することで、このプラットフォームは、 チームが膨大なデータセットを処理し、 社内ツールを構築し、機械学習モデルを大規模に展開することを可能にしています。
これらの取り組みがデジタル戦略の中核をなし、より迅速でインパクトのある医療のブレークスルーを実現するという長期的なビジョンを支えています。

AI が実現する、
次世代の 公共サービス

公共部門は日本の労働力のわずか5%の雇用にとどまる一方、 経済の 付加価値の21%を生み出しています。25 26 また、 政府の有効性においては、 世界の上位3%に入る評価を得ています。27 

しかし、その効率にはまだ改善の余地があります。 高い国際的評価とは裏腹に、 アナログ技術が依然として広く使われており、 これが生産性向 上の妨げとなっている可能性があります。
日本の情報通信技術(ICT)投資の80%は、 旧来のシステムの維持に向けられており、 一部の行政手続きでは、 いくつかの政府間手続きは依然としてこれに依存しています。 28 29 

AI インフラへの適切な投資は、 より透明性が高く、 柔軟で、 機敏な公共部門の実現につながります。 定型的な業務を自動化することで、 職員は より付加価値の高い活動に時間を割くことができます。

全体として、 AI は 日本の公共部門の生産性を

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向上させるのに役立つと推定しています。

Google、公共部門
向けに実践的な
AIトレーニングを提供

AI の可能性を最大限に引き出すには、 人材への投資が不可欠です。 この目的のため、 Google は 日本の公共部門を強化するために設計された包括的なプログラム「Local Growth パッケージ」を 開始しました。30

このパッケージは2つの柱で構成されており、 その一つが、 対象を絞った人材開発プログラム群です。 その中でも重要なのが「AI Connect アカデミー」で、 地方自治体や中央省庁の職員など、 公共部門 向けに実践的なトレーニングを提供しています。 AI の基礎学習だけでなく、 公共部門での具体的な 事例を題材に、 実際の AI ツールを活用した課題解決に取り組みます。

教育者向けの「Gemini アカデミー」や、 中小企業・スタートアップ向けの専門的な AI・サイバーセキュリティトレーニングといった補完的な取り組みも、 全国で強固でスキルの高い人材基盤を育成することを目的としています。

AI と共に、日本の
クリエイティビティを世界へ

日本のクリエイティブ経済は世界第3位で、2022年には13.1兆円(860億米ドル)に達すると評価されています。 世界のクリエイティブ経済の10%を占め、 米国と中国を除く他のすべての市場を合わせた規模にほぼ匹敵します。 31

近年、 この分野は国際市場にも進出しています。 例えば、 アニメ産業は2022年から2023年にかけて14%成長し、 海外での収益が国内収益を 2年連続で上回りました。 32

AI は、 日本のクリエイティブ産業の海外展開をさらに加速させることができます。 日本語を話す人口は世界全体の2%未満ですが、33 AI ツールは、日本語を母国語としない人々が日本のコンテンツに触れるための架け橋となります。

生成 AI 翻訳ツールは、日本の クリエイターが世界の

0 億人

にさらに作品を届ける サポートができます。

国別のクリエイティブ経済シェア

出典:METI

AI が築く、サイバー
セキュリティ
の新防衛線

日本は近年、 サイバー詐欺の急増に見舞われています。
2024年2月の時点で、 週に平均1,000件以上のサイバー攻撃が記録されています。34 これには、 金融詐欺、 情報窃盗、 ランサムウェア攻撃などが含まれます。 2023年には、 東京の防衛ネットワークが大規模なサイバー攻撃を受け、 日本の防衛態勢に大きな脆弱性があることが露呈しました。 35 国家サイバーセキュリティインデックスでは、 日本の対策は韓国、 インド、 シンガポールといった国々よりも遅れていると評価されています。36

AI 搭載ツールは、 新たなデジタルセキュリティの脅威を積極的に監視し、 警告を
発することができます。 AI は、 世界中の脅威インテリジェンスデータを分析し、
実際の脅威となる前にその兆候や潜在的なリスクを特定します。
また、 フィッシングなどの攻撃に対するセーフティネットとして機能し、 脅威への
対応を自動化することで、 被害を最小限に抑えることができます。

AI が広く導入されれば、 サイバーセキュリティの脅威や 詐欺による経済的損失の

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を防ぐことができると 試算されています。

世界のサイバーセキュリティランキング(全176か国中)

順位が低いほど対策が不十分(例:176=最下位)
出典:国家サイバーセキュリティインデックス